2015年3月
評価は6段階 あくまで筆者の主観的判断です。 ◎=おもしろい、傑作 ○=なかなか良 い △少しおもしろい 無印=可もなく不可もなし、普通 ▲う~ん、どうなんだ ×=ダメです
①「寛斎完全燃焼」 やまもと寛斎 △
新潮文庫 1983.9.25 【美術・ファッション】
②「イスラームの日常世界」片倉ともこ △
岩波新書 1991.1.21一1997.2.5十八刷 【異文化】
③「もぎりよ今夜も有難う」 片桐はいり
玄冬社文庫 2015.8.5 【演劇】
④「ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる」 ヘンリー・ダーガー 小出由紀子 ◎
平凡社コロナブックス 2013.12.20 【美術】
文春ジブリ文庫 2013.11.10 【漫画・アニメ】
⑥「ロッパ随筆 苦笑風呂」 古川緑波
河出文庫 2015.3.20 【芸能】
河出文庫 2015.3.20 【民俗】
⑧「文壇」 野坂昭如 ▲
文春文庫 2005.4.10一2005.5.10二刷【小説】
⑨「クレーの旅」 クレー 新藤真 ○
平凡社コロナブックス 2007.9.25 【美術】
⑩「小銭をかぞえる(再読)」 西村賢太 △
文春文庫 2011.3.10 【小説】
⑪「クレーの贈りもの」 クレー △
平凡社コロナブックス編集部 平凡社コロナブックス 2001.11.28 【美術】
⑫「ぼくは閃きを味方に生きてきた」 横尾忠則 ○
光文社文庫 1998.7.20 【美術】
⑬「パウル・クレー 絵画のたくらみ」 クレー 前田富士男他 ◎
新潮社とんぼの本 2007.1.25一2011.9.15二刷 【美術】
⑭「安井かずみがいた時代」 島崎今日子 ○
集英社文庫 2015.3.25 【音楽】
⑮「オオカミの護符」 小倉美恵子
新潮文庫 2014.12.1 【民俗】
以上、十五冊。ひと月の読書量ととしては標準。
面白かったのは④⑤⑬と⑨⑭。④⑤⑬は美術関係、図版の多いものであり私にとっては大変参考になったというか、面白かったが、他の人が読んだら(見たら)どうであろうか。
④「ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる」は最近大変な人気を呼んでいることでもあり、その世界の秘密に触れうるかもという期待を抱かせてくれるが、結局そんな秘密などないということを知るに至るだけかもしれない。
⑤「風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡」は勉強になりました。ふんふん、やっぱりねという感じ。
意外と面白かったのが①「寛斎完全燃焼」と⑭「安井かずみがいた時代」。ファッションも芸能関係も共に私の興味の範疇にはないのだが-。私より一回り以上上の世代だが、私も彼らの作ってきた時代の空気を吸っていたわけである。もっとも私の嗜好とか当時の経済状態からして、とても身近なものではなかったけれども。
②「イスラームの日常世界」はこれまでトルコ、インドと旅をしてきて、やはりもう少しイスラムのことを知りたいと思って何年か前に買った本。ようやく読み終えた。やはり異文化はその根底にあるものを、多少とも勉強しないとわからないのである。内容はやや浅いが、とにかく読みやすい。女性研究者ゆえの視点といったものが気にならなくもないが。
⑩「小銭をかぞえる」は再読。「ああ、ここに描かれているのは俺だ。最も嫌な部分の俺だ」という感想をいだくのは、一人私だけではないだろう。
⑮「オオカミの護符」はそのテーマゆえに期待していたのだが、残念ながら物足りないの一言。ただしこの人の場合はその本筋である映画を見なければいけないのだろう。どこで見れるのだろうか?
書影は、まあいいか。 (2015.4.3)