2月4日 マラケシュ・二日目
アフリカとはいえこの季節、寒い。前夜暖房を入れて寝たため、快適に眠れた。しかしこの予想を少々上回る寒さは、これからの砂漠ツアーを考えると不安である。以後、上半身はともかく、下半身の防寒対策にズボン下=タイツを探し回るが、なかなかみつからない。
朝食後、ホテルのお兄さん経由で、砂漠ツアーの打ち合わせと予約。
この日回ったのは以下の四か所。
①皮なめし職人地区
②ハビア宮
③ダール・シ・サイド(工芸博物館)
④ディスキウィン博物館
①皮なめし職人地区は捜すほどもなく、入口に立つ男に「ノープロブレム」の呪言とともに導き入れられる。当然ながら臭い。特別な驚きはないが、それなりの体験である。こうしてかの有名なモロッコ革が作られるのだ。
日本では皮革関係、膠や筆作り等において、昔からの職業差別が今でも皆無とはいえないらしく、なかなかその作業工程等を見ることは簡単ではない。そもそも例えば日本での三千本膠の製造はとうとう終わったらしい。
いずれにしても現代の都市で、この密集したメディナ内のように、いくつもの職業単位で町中に金細工職人地区、鍛金職人地区、木造家具職人地区といった形で併存しているのが見れるのは、やはり珍しいだろう。ベトナムあたりでは漆造りの村、造船の村、版画の村といった村単位での職人地区はあったが。
見終わってやはり例のごとくチップを要求されたが、まあこれは仕方がない。
↓ 屋外作業 いくつものソーダ(?)槽でなめす。染めもやっているのだろうか。
↓ 屋内作業 毛の生えていた部分を半月上のナイフでこそぎ落とす。
②ハビア宮は愛妾用の別宅というべきか。されはそれとして、いまさらながらアラベスクの世界。すばらしい。わずかに具象性をとどめる板に描かれた植物の絵もおもしろい。
↓ ハビア宮の室内装飾。
↓ ハビア宮の室内装飾、板絵。メディウムは膠か?それにしては分厚い。乾性油かもしれない。いくつか剥落のはげしいものもあった。
③ダール・シ・サイド(工芸博物館)は陳列物はそう多くはないが、好ましい博物館。
④ディスキウィン博物館は小さな博物館だが、民俗的、民芸的物品が所狭しと数多くあり、面白かった。それにしてもひとはなぜ「飾る」のだろうか。
↓ 用途不明。井川惺亮氏の作品を思い出した。
その後、新市街に出てフランス資本のスーパーマーケット(カルフール)に行き、ようやくビールを買うことができた。さすが旧フランス植民地(一部スペイン領もありました)。