先日20日、所用があって千葉県いすみ市に行った。御宿に一泊後の帰途、帰りがけの駄賃に養老渓谷を再訪。九月の台風の影響で一部通行止めの個所(梅ヶ瀬渓谷は全面通行禁止)があったが、弘文洞跡や粟又滝などを見た。
房総半島の房総丘陵は最高峰が愛宕山408.2mで、300m前後の尾根すじと沢が、穏やかにではあるが複雑に錯綜し、軟弱な泥岩層の地質に由来する地形と、山上集落や人々の暮らしから生まれた「川廻し(蛇行した河川の流路をトンネルや切り通しを通るように変更・短絡化し、旧河道を水田化させた工事/ウィキペディア)地形」などの、独特の面白みのある山域を形作っている。
私はこの山域のそうした表情が好きで、主に冬に沢登りで何度か訪れた。今回はほんの小さな逍遥ではあったが、久しぶりの房総の沢の景観を楽しむことができた。
(記:2019.12.24)
↓ 弘文洞に至る「二重トンネル」。最近新聞に掲載されてにわかにインスタ映えスポットとして有名になったらしい。
↓ ここの開口部ぶよって「二重」が成立する。手前は手掘り(?)の跡をとどめているが、奥は人口の壁材が設置されている。
↓ 弘文洞跡。かつての川廻し地形が崩落したもの。詳しくは次の解説板を参照。
↓ 解説板。
↓ 粟又の滝(別名養老の滝)。軟弱な泥岩質の地層がゆるやかに浸食されてナメ滝となった。
↓ 滝壺というか、釜から見る。右から支流が入っているように見えるが、浸食され残された岩によって流れが二分されている。二分している岩は遠からず浸食されて消滅し、一つの流れになるだろう。