艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

小ペン画ギャラリー

小ペン画ギャラリー‐38 「近作‐男と女」

ここ3回の「小ペン画ギャラリー」は、グループ展の報告と振り返りとしてだった。「小ペン画ギャラリー」自体としては、昨年の8月の「700点」以来だから、だいぶ間が空いた。 さて次のお題は「700点以降」かな、ということで、ざっと最近の画像フォルダを眺…

小ペン画ギャラリー‐37 「青梅市立美術館『アートビューイング西多摩2023』‐2」

青梅市立美術館の「アートビューイング西多摩2023」展での、全体の意図と3点のタブローについては、前回の投稿で述べた。 展示した小ペン画は24点。一応多少の見やすさとバリエーションを考慮したが、そのせいか後に確認して見たら、19点はすでにギャラリー…

小ペン画ギャラリー‐36 大阪高島屋「21世紀空間思考展」‐2

前回の続きで大阪高島屋「21世紀空間思考展」に出品した小ペン画、その2。他の展覧会やFB上でも未発表のものを何点か紹介する。 前回の投稿でも述べたが、共通するコンセプトや要素といったものは特になく、したがって全体としてのコメントも特にない。あ…

小ペン画ギャラリー‐35 大阪高島屋「21世紀空間思考展」‐1

先日、縁あって大阪の高島屋の彫刻4名、絵画2名の「21世紀空間思考展」に参加した(2月17~22日)。 縁はあったのだが、必然性はなかった。グループ展としての統一的コンセプトといったものはない。必然性のない発表というのは難しい。だからグループ…

小ペン画ギャラリー-34 「700点」

猛暑、酷暑に打ちのめされつつ、何とかしのぎ、かわし、やり過ごす。精神と生活を退廃させず、最低限の健康を維持し制作するには、日々の家事や必要な雑事、生活、付き合い・連絡といったルーティンワークの手を抜かないことだと、自分に言い聞かせる。 タブ…

小ペン画ギャラリー33 「十六羅漢‐3」

十六羅漢、その3、シリーズ(?)の最後。 テーマ、意図については既述。結果的に9ヵ月にわたって断続的に描いた16点中、オリジナル羅漢が12点。途中での柔軟な方針変更(?)=外部性の導入による「倣貫休」が2点。そして羅漢図ではないが、同じく過去の…

小ペン画ギャラリー32 「十六羅漢‐2 倣貫休と倣非羅漢画」

十六羅漢その2。 私が興味を持つ人間像のタイプの一つに、僧侶や修道士、巫女や修行者といった宗教者の存在がある。私は無宗教者であり、無神仏論者だから、直接宗教的問題とかかわるのは難しい。だが宗教的問題そのものではなく、その周縁に位置する人間に…

小ペン画ギャラリー31+石仏探訪57 「十六羅漢‐1」

小ペン画とは限らず、作品を「○○シリーズ」と自分で名付けることはしない。ヴァリエーションということはある。あるモチーフやテーマから、結果として、たまたま必然的にいくつかの関連性のある作品が生まれ出たときの話。今回は結果としてだが、途中から例…

小ペン画ギャラリー‐30「今年になってからの近作」 

前回の「小ペン画ギャラリー」を投稿したのが昨年11月23日だから、5カ月近く空いた。ありゃま?そんなに経ったっけ?という、日々の流れ。 ということで「近作」だが、①今年になってからの作品から、②女房が選んだもの、というのが条件。 1月のペン画の制…

「個展のお知らせ (再録)」

[*2023年1月5日にFBに投稿したものの再録です。すでに終わった個展ですが、ブログ未掲載の作品が何点かありますので、記録の意味もかねて再録します。] 明日から個展が始まります。 それに先立って恒例(?)の女房からのアナウンスです(感謝してます…

小ペン画ギャラリー‐29 「近作より」

ちょい久、二ヶ月ぶりの「小ペン画ギャラリー」。 最近の小ペン画制作ペースは、ほとんど描かない月もあれば、10点以上描く月もある。以前より画面が少し大きくなり、1点にかかる時間も増えたが、それらはまあ現象的なこと。 絵描きとしては本筋のタブロー制…

小ペン画ギャラリー-28 「2年前の9月」

「小ペン画ギャラリー」の投稿は、二ヶ月以上空いた。 先日の信州の石仏探訪の際の、8~900点ほどの写真の分類・整理がようやく終わった。投稿としては、そちらを早く出したいのだが、まだ原稿書き~分析・考察にまでは至っていない。 それでなくても、ここ…

小ペン画ギャラリー-27 「600点」

小ペン画が600点になった。一頃よりペースは落ちたが、コツコツ描いていれば、点数は自動的に増える。 いつも言っていることだが、私にとって小ペン画は本道ではなく、脇道。本道はタブロー(油彩・テンペラによる板絵・キャンバス画)なのだが、これは精神…

小ペン画ギャラリー-26 「民俗・民間信仰系-2」

ここのところ山、旅、石仏、民俗的な投稿が続いた。 だが、私の本業は画家である。画家ではあるが、本道であるタブローの制作は、ここのところの暑さや諸般の情況から停滞気味。小ペン画の方も、ここのところ全く天使が舞い降りてきてくれない。 しかし時お…

小ペン画ギャラリー-25 「1~3月の近作から」

別に月一と決めているわけではないが、中一ヶ月空くと、自分の作品(ペン画)をPCやスマホの画面上で見たくなる。半ばルーティンと化した「小ペン画ギャラリー」の投稿。 今年に入ってからの小ペン画制作点数は、1月が15点、2月7点、3月18点、4月2点。…

小ペン画ギャラリー-24 「世界・社会・歴史関連」

ウクライナ、ミャンマー、シリア、イエメン、等々の現在進行形の事態。 物心ついたときにはベトナム戦争。以後、カンボジア、パレスチナ、中南米、ソ連のアフガン侵攻、ユーゴスラヴィア内戦、湾岸戦争…。戦争、紛争、内戦の火の途絶えた年はなかった。時代…

小ペン画ギャラリー-23 「二人」(記・FB投稿:2022.3.3)

(ロシアのウクライナ侵攻という事態のさなかに、こんな投稿をしてよいものかとも思う。だが、ミャンマー、シリア、アフガニスタンやイエメンと、常にどこかで紛争や戦争が常態なのがこの世界だ。 「紅旗征戎吾が事に非ず」を、前後の文脈もわきまえず、芸術…

小ペン画ギャラリー-22  「デカルコマニー」 (記・FB投稿:2022.2.21)

「デカルコマニー」とは、ある程度の流動性を持った絵具を二つの支持体の間に挟み、それらをずらしたり、こすり合わせたりするなどした後にはがして、その際に現れる偶然的効果を生かす技法のこと。ロールシャッハテストのあれと言えば、「あれか」とわかる…

小ペン画ギャラリーー21 「女房の選んだ○○点」

自分の作品を振り返り、鳥瞰し、そこに見出されるテーマで括り、自己批評するということに、少し疲れた。そうした場合の恒例で、ちょっと久しぶりに「女房が選んだ○○点」。 誰でもそうであろうと想像されるが、女房は最初の観客であり、時に最も辛辣な批評家…

小ペン画ギャラリー‐20 「民間信仰系」

12月は何だかあれこれ妙に気忙しく、なかなかFBに投稿する余裕がなかった。 一か月で10日以上、病院その他に行った。私の健康診断とインプラント手術、女房の白内障の二度の手術とその前後の検査等の付き添い。手術は朝8:15から。6時には起きなければいけ…

小ペン画ギャラリー‐19 「仏教系」

石仏に関心をもって以来、後追い勉強の日々。石仏関係のみならず、この際だからその根底にある、仏教、神道、修験道、民間信仰からヒンドゥー教、宗教史全般、民俗学、等々。きりがない。 関係ないけど時おり、エホバの証人の方が冊子を置いていく。たまに幸…

小ペン画ギャラリー‐18 「へんな男‐2(少し前のもの)」

不定期ながら、こうして「小ペン画ギャラリー」というタイトルでシリーズ投稿(?)していると、やはり、ついつい近作新作を上げたくなる。新しいものほど良いとは限らないのだが、そこは表現者の心理。今回はあえて、少し古いというか、前の作品を取り上げ…

閑話「旅のカケラ‐窓 」+ 小ペン画ギャラリー‐番外篇「窓」

先に投稿した熊本でのグループ展「らんだむラリー」のために、作品の梱包作業をした。 で、いい加減、結論を出さなければならない。 【熊本でのグループ展⇒熊本~福岡~山口での飲み会+石仏探訪+山歩き】という旅のプランVS【緊急事態宣言都市福岡・蔓延防…

小ペン画ギャラリー-17 「作品No.500記念」(記・FB投稿:2021.8.17)

「小ペン画ギャラリー」の投稿が少しとどこおっていたら、その間に作品Noが500を越えた。めでたい(??)。 この作品番号は、小ペン画独自のカウント。従前からのタブローやドローイング作品とは別枠。付記しておけば、私にとっての「ドローイング(作品)…

小ペン画ギャラリー-13 「濃くて、くどい絵」

*モデムとルーターの仕様を更新したことで、しばらくブログを開くことができませんでした。以下、主にFBに投稿したものの後追い再投稿です。若干見苦しい次第ですが、御了解のほどを。 前回の「あっさり」系に対して、今回は「濃くて、くどい、描き過ぎ(…

小ペン画ギャラリー16 「中断再開後の近作‐油彩転写」 

小ペン画ギャラリー16 「中断再開後の近作‐油彩転写」 今年も半分過ぎ去ろうとしている。年明け以来、憑き物が落ちたように、小ペン画を描かなくなった。それまで平均して週に5、6点ぐらいは描いていたのが、一月は4点、二月0点、三月1点、四月5点、五…

「小ペン画ギャラリー-15 コラージュ」

「小ペン画ギャラリー-15 コラージュ」 「小ペン画ギャラリー」で人物を描いた作品を紹介することに、少々飽きた。人物を扱った割合が圧倒的に多いのだから、やむをえないのだが。 では次は「人物の登場しない絵」を出そうかと、リストアップしてみたら、案…

小ペン画ギャラリー‐14 「をみな」

振り返れば、「小ペン画」で描いた人物は、圧倒的に「女」が多い。8割以上か。 小画面を描くにあたって、人物が格好のモチーフであると再認識したことについては、以前に別の場で述べた。ではなぜ「圧倒的に女が多い」のか。「女」でなければならないのか。…

小ペン画ギャラリー-13 「濃くて、くどい絵」

前回の「あっさり」系に対して、今回は「濃くて、くどい、描き過ぎ(かもしれない)」系。(まあ、それほどでもないかもしれませんが…) 「あっさり系」というのは、確かに見るぶんには見やすく、鬱陶しがられず、嫌われない。造形的にも、余白とか、間とか…

小ペン画ギャラリー12 「近作」

昨年11月の西荻窪の数寄和の個展「小さな世界」では、描きためた10㎝前後の小ペン画400点の中から、120点ほど並べた。 この一年半は不思議なくらい、小さなペン画の制作に明け暮れた。おかげで本道のタブローは、全くと言っていいほど進まなかった。表現衝動…