艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

小ペン画ギャラリー

小ペン画ギャラリー‐29 「近作より」

ちょい久、二ヶ月ぶりの「小ペン画ギャラリー」。 最近の小ペン画制作ペースは、ほとんど描かない月もあれば、10点以上描く月もある。以前より画面が少し大きくなり、1点にかかる時間も増えたが、それらはまあ現象的なこと。 絵描きとしては本筋のタブロー制…

小ペン画ギャラリー-28 「2年前の9月」

「小ペン画ギャラリー」の投稿は、二ヶ月以上空いた。 先日の信州の石仏探訪の際の、8~900点ほどの写真の分類・整理がようやく終わった。投稿としては、そちらを早く出したいのだが、まだ原稿書き~分析・考察にまでは至っていない。 それでなくても、ここ…

小ペン画ギャラリー-27 「600点」

小ペン画が600点になった。一頃よりペースは落ちたが、コツコツ描いていれば、点数は自動的に増える。 いつも言っていることだが、私にとって小ペン画は本道ではなく、脇道。本道はタブロー(油彩・テンペラによる板絵・キャンバス画)なのだが、これは精神…

小ペン画ギャラリー-26 「民俗・民間信仰系-2」

ここのところ山、旅、石仏、民俗的な投稿が続いた。 だが、私の本業は画家である。画家ではあるが、本道であるタブローの制作は、ここのところの暑さや諸般の情況から停滞気味。小ペン画の方も、ここのところ全く天使が舞い降りてきてくれない。 しかし時お…

小ペン画ギャラリー-25 「1~3月の近作から」

別に月一と決めているわけではないが、中一ヶ月空くと、自分の作品(ペン画)をPCやスマホの画面上で見たくなる。半ばルーティンと化した「小ペン画ギャラリー」の投稿。 今年に入ってからの小ペン画制作点数は、1月が15点、2月7点、3月18点、4月2点。…

小ペン画ギャラリー-24 「世界・社会・歴史関連」

ウクライナ、ミャンマー、シリア、イエメン、等々の現在進行形の事態。 物心ついたときにはベトナム戦争。以後、カンボジア、パレスチナ、中南米、ソ連のアフガン侵攻、ユーゴスラヴィア内戦、湾岸戦争…。戦争、紛争、内戦の火の途絶えた年はなかった。時代…

小ペン画ギャラリー-23 「二人」(記・FB投稿:2022.3.3)

(ロシアのウクライナ侵攻という事態のさなかに、こんな投稿をしてよいものかとも思う。だが、ミャンマー、シリア、アフガニスタンやイエメンと、常にどこかで紛争や戦争が常態なのがこの世界だ。 「紅旗征戎吾が事に非ず」を、前後の文脈もわきまえず、芸術…

小ペン画ギャラリー-22  「デカルコマニー」 (記・FB投稿:2022.2.21)

「デカルコマニー」とは、ある程度の流動性を持った絵具を二つの支持体の間に挟み、それらをずらしたり、こすり合わせたりするなどした後にはがして、その際に現れる偶然的効果を生かす技法のこと。ロールシャッハテストのあれと言えば、「あれか」とわかる…

小ペン画ギャラリーー21 「女房の選んだ○○点」

自分の作品を振り返り、鳥瞰し、そこに見出されるテーマで括り、自己批評するということに、少し疲れた。そうした場合の恒例で、ちょっと久しぶりに「女房が選んだ○○点」。 誰でもそうであろうと想像されるが、女房は最初の観客であり、時に最も辛辣な批評家…

小ペン画ギャラリー‐20 「民間信仰系」

12月は何だかあれこれ妙に気忙しく、なかなかFBに投稿する余裕がなかった。 一か月で10日以上、病院その他に行った。私の健康診断とインプラント手術、女房の白内障の二度の手術とその前後の検査等の付き添い。手術は朝8:15から。6時には起きなければいけ…

小ペン画ギャラリー‐19 「仏教系」

石仏に関心をもって以来、後追い勉強の日々。石仏関係のみならず、この際だからその根底にある、仏教、神道、修験道、民間信仰からヒンドゥー教、宗教史全般、民俗学、等々。きりがない。 関係ないけど時おり、エホバの証人の方が冊子を置いていく。たまに幸…

小ペン画ギャラリー‐18 「へんな男‐2(少し前のもの)」

不定期ながら、こうして「小ペン画ギャラリー」というタイトルでシリーズ投稿(?)していると、やはり、ついつい近作新作を上げたくなる。新しいものほど良いとは限らないのだが、そこは表現者の心理。今回はあえて、少し古いというか、前の作品を取り上げ…

閑話「旅のカケラ‐窓 」+ 小ペン画ギャラリー‐番外篇「窓」

先に投稿した熊本でのグループ展「らんだむラリー」のために、作品の梱包作業をした。 で、いい加減、結論を出さなければならない。 【熊本でのグループ展⇒熊本~福岡~山口での飲み会+石仏探訪+山歩き】という旅のプランVS【緊急事態宣言都市福岡・蔓延防…

小ペン画ギャラリー-17 「作品No.500記念」(記・FB投稿:2021.8.17)

「小ペン画ギャラリー」の投稿が少しとどこおっていたら、その間に作品Noが500を越えた。めでたい(??)。 この作品番号は、小ペン画独自のカウント。従前からのタブローやドローイング作品とは別枠。付記しておけば、私にとっての「ドローイング(作品)…

小ペン画ギャラリー-13 「濃くて、くどい絵」

*モデムとルーターの仕様を更新したことで、しばらくブログを開くことができませんでした。以下、主にFBに投稿したものの後追い再投稿です。若干見苦しい次第ですが、御了解のほどを。 前回の「あっさり」系に対して、今回は「濃くて、くどい、描き過ぎ(…

小ペン画ギャラリー16 「中断再開後の近作‐油彩転写」 

小ペン画ギャラリー16 「中断再開後の近作‐油彩転写」 今年も半分過ぎ去ろうとしている。年明け以来、憑き物が落ちたように、小ペン画を描かなくなった。それまで平均して週に5、6点ぐらいは描いていたのが、一月は4点、二月0点、三月1点、四月5点、五…

「小ペン画ギャラリー-15 コラージュ」

「小ペン画ギャラリー-15 コラージュ」 「小ペン画ギャラリー」で人物を描いた作品を紹介することに、少々飽きた。人物を扱った割合が圧倒的に多いのだから、やむをえないのだが。 では次は「人物の登場しない絵」を出そうかと、リストアップしてみたら、案…

小ペン画ギャラリー‐14 「をみな」

振り返れば、「小ペン画」で描いた人物は、圧倒的に「女」が多い。8割以上か。 小画面を描くにあたって、人物が格好のモチーフであると再認識したことについては、以前に別の場で述べた。ではなぜ「圧倒的に女が多い」のか。「女」でなければならないのか。…

小ペン画ギャラリー-13 「濃くて、くどい絵」

前回の「あっさり」系に対して、今回は「濃くて、くどい、描き過ぎ(かもしれない)」系。(まあ、それほどでもないかもしれませんが…) 「あっさり系」というのは、確かに見るぶんには見やすく、鬱陶しがられず、嫌われない。造形的にも、余白とか、間とか…

小ペン画ギャラリー12 「近作」

昨年11月の西荻窪の数寄和の個展「小さな世界」では、描きためた10㎝前後の小ペン画400点の中から、120点ほど並べた。 この一年半は不思議なくらい、小さなペン画の制作に明け暮れた。おかげで本道のタブローは、全くと言っていいほど進まなかった。表現衝動…

「小ペン画ギャラリー-11 風景の中の人物」

ファイルをパラパラとめくっているうちに、「風景の中の人物」という視点を思いついた。「風景を背景とした人物」ではなく、「ある風景の中にいる」人物。 小画面で描くということは、ややもすると、閉じた絵画的空間とならざるをえないところがある。だから…

小ペン画ギャラリー―10(石仏探訪-7) 「石仏から」 

石仏探訪にハマって約4カ月。長梅雨、猛暑にもかかわらず6月からの四カ月で45回だから尋常ではない。爺臭い趣味のように趣味のように思われるかもしれないが、まあ、それはどうでも良い。なぜ石仏なるものにハマったのかは、未だ自分の中でも十分には説明…

小ペン画ギャラリー-9  「へんな男 いくつか」

今回は「へんな男」というテーマ(?)。いや、テーマではない。テーマにもなっていない。何となくとらえどころのない、そのくせ何か引っかかる感じのものを選び出して並べてみたら、この言葉が浮かび上がってきたのである。したがって、解説のしようもない…

小ペン画ギャラリー 8 「常夜燈-浄夜燈」

「小ペン画ギャラリー」は、ここのところ人物を描いたものが続いた。いや、蝶も蝸牛も登場はしているが、画面上の主役はやはり人物である。少しそれに飽きたというわけでもないのだが、なんだか少し私らしくもないような気もして、今回は人物の登場しない絵…

「小ペン画ギャラリー-7 蝸牛」

梅雨がなかなか明けない。東南アジアやアフリカの雨期・乾期のそれとは違うにせよ、言い換えればまあ日本の雨季である。雨季には雨季なりの風情があることは認めるにしても、心身は不調気味。 路上や擁壁や樹々に蝸牛が這い出る。蝸牛のフォルムを見るのは好…

「小ペン画ギャラリー―6 家族」

家族、つまり自分の妻や息子を、また両親や姉たちを、作品として描いたことはこれまでない。そう思うと、ちょっと情の薄い男なのかなとも、思う。 若いころは、自画像を描くのが好きだった。と言っても、予備校での課題の油絵数枚にすぎないが。別に、日々の…

小ペン画ギャラリー 5-「蝶」

「蝶」を描いた小ペン画、5点。 あらゆる動物、植物、鉱物といった自然の存在が不思議で美しいように、蝶もまた不思議で美しい存在である。 ギリシャ神話では魂の象徴とされた。中国には荘子の「胡蝶の夢」がある。日本においても「極楽浄土に魂を運んでく…

小ペン画ギャラリー・4 「建物」

今回は少し趣きをかえて「建物」。「建築」ではない。 建築というと、どうも公共建築とか、ビルディングというか、大きなもの、夜になると人の住んでいない、政治や資本の論理に裏打ちされたもの、といった胡散臭いイメージがあって、好きではない。だから丹…

小ペン画ギャラリー―3 「踊り―その1」

「ダンス」を訳せば「踊り」。 だが日本語の「踊り」には「舞踏」と「舞踊」とがある。もともと日本語として「舞踏」と訳されていたのを、1904年の『新楽劇論』において、坪内逍遥と福地桜痴が新たに造語した「舞踊」を訳語として当てたとのこと。 私は「舞…

「小ペン画ギャラリー」―その2 「繭」

今回は繭と人物を描いた絵を5点(+油彩作品1点+参考図版1点)。 人物の性別はあいまいである。 繭とは書いてみたが、はたしてそれは繭なのか。 形と意味からすれば、「卵」でも良いような気もする。 しかし私にとって、そのイメージに最も近いのが、ヤ…