艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

蕎麦粒山から天目山へ (2018.7.3)

前回の山行から、また二か月空いた。5月から6月にかけて、ウズベキスタンに15日間旅した(別稿:カテゴリー「海外の旅」参照)。そのうち、少なくとも10日間は毎日2万5千歩前後歩いているから、必ずしも運動不足とは言えないだろうが、やはり山登りと、平…

四国の山旅―その3 三嶺 (2018.4.27)

4月27日(金)晴時々曇り 朝食後、通いなれた(?)道を名頃の登山口の駐車場へ。数台の車が停まっている。8:25カカシ達に見送られて登り始める。 ↓ お見送りのカカシ(?)たち 剣山からの往復に比べれば、この尾根から三嶺に登る人は少ないようで、その…

四国の山旅―その2 次郎笈~剣山~一ノ森 (2018.4.26)

4月26日(木) 朝、薄い雲はあるが、晴れている。7時からの朝食を済ませ、車で登山口の見ノ越へ。宿泊施設や食堂、土産物屋などがある。 靴を宿に置き忘れ取りに戻るというお粗末な一幕の後、駐車場わきの剱神社の石段を上がる。 ↓ 剱神社の石段 見ノ越から…

四国の山旅-その1 霧の丸笹山 (2018.4.25)

2年ほど前から高校山岳部時代の同期と後輩の三名で、ごくプライベートで怪しげな「OB会」をでっち上げ、山口県と東京から参集して、北アルプスや九州、大峰などで年に二、三回の「合宿」と称する山行を行ってきた。 その間、帰郷したKを中心に故郷の山口県…

「400回目の山」 坪山から大寺山をへて尾名手尾根下降 (2018.4.5)

2018年4月5日 曇りのち晴れ 同行:K 2.5万図/猪丸・七保 最大標高差:676m 何回かの延期をへて、前回から二週間以上たった。期が熟したというのか、ようやく山に行く気になった。3月29日、5時起床。朝食を食べ、準備を終り、さあ靴を履こうかという時にな…

股関節痛とともに 高尾山から小仏峠へ (2018.3.12)

前回の山行からまた中一ヶ月以上空いた。不老山からの帰途自覚したとおり、B型インフルエンザに罹っていたのである。合わせて、これまで経験したことのない、やや重めの花粉症の症状を呈してきた。以前は無縁だったが、ここ2,3年はごく軽い症状が出るよう…

2018年の山始め―玄房尾根から雨降山越え不老山へ

また、中一ヶ月空いた。理由というほどのものはなく、要はモチベーションの低さということだろう。ともあれ、2018年の山始めである。 今年の冬は寒い。北陸や東北日本は大雪で大変そうだ。わが家の方でも二度ばかり降雪があり、多少の雪かきもした。しかし、…

雪の裏山散歩 桜尾根から金剛の滝へ(なぜ金剛の滝は凍らないのか?)

11:30起床。朝昼兼用の食事を終え、食器洗いや洗濯物干しなどの家事や雑事を済ませ、アトリエに入る。とりあえずPCを立ち上げる。しばし、ぼんやり。なかなか制作に向かう気にならない。いつものことだ。 外は何年ぶりかの寒波襲来とかで、寒い。ここのとこ…

今年の山納め:大高取山から鼻曲山をへて越上山 (2017.12.27)

不調である。何とはなしに。不定愁訴とでも言おうか。よくあることだ。だからこそ山に行かねばならない。 今年16回目の山行が、本年の山納めである。年度目標の月2回×12=24回には遠く及ばなかったが、夏場の天候や体調等の問題もあり、まあ、こんなもんだ…

伊豆ヶ岳東尾根から子の権現へ (2017.12.6)

↓ 伊豆ヶ岳遠望 右に延びるのが東尾根 【コースタイム】 2017.12.6(水曜日)快晴 単独 西吾野駅9:25~下久通~琴平神社10:10~狢入山10:55~伊豆ヶ岳頂上12:30-13:00~古御岳830m13:20~ナローノ高畑山695m14:00~中ノ沢ノ頭622m14:27~天目指峠…

晩秋の南大菩薩・殿平~鞍吾山~沼沢ノ峰 (2017.11.21)

今回の山は南大菩薩の、殿平から鞍吾山をへて沼沢ノ峰*に至り、その南東尾根を下ろうというものである。数年前から何となく気にはなっていたが、大菩薩連嶺の主脈からはずれた、いかにもマイナーな支尾根上の山であり、さほど魅力も感じず、積極的に行く気に…

「ふるさとの山 その3」 これまでに登った最も低い山 天神山 (2017.11.9)

11月9日木曜 東京を発ってから6日目、帰京すべき日である。予定していたコンテンツはほぼすべて消化した。 前夜は馬糞ヶ岳から帰ってきてから、K宅で野郎三人で鍋を囲んで飲んだ。5日連続だ。思い残すことはない。あとは駅に行く途中で、「山頭火ふるさと館…

46年目の達成 霧の秘密尾から馬糞ヶ岳へ(2017.11.8)

前稿に続き「ふるさとの山 その2」なのであるが、46年前の高校生の頃、故郷防府からは旧鹿野町(現:周南市)や錦町(現:岩国市)は遠いところだった。したがって同じ山口県ではあっても、寂地山や馬糞ヶ岳を「ふるさとの山」とよぶには、少々違和感がある…

ふるさとの山 狗留孫山と三十三霊場めぐり (2017.11.6)

前回の山行からまた二ヶ月空いた。この間、個展やら、息子の結婚式やら、いろいろあったのだが、何より大きかったのは天候不順である。ちなみに東京の十月の一ヶ月間の降雨日は23日で、過去三番目に多かったとのこと。しかし今さらそんなことを言ってみても…

「有朋自遠方来」 三ヶ月ぶりに登った王岳 (2017.9.5)

Kから電話がかかってきた。有朋自遠方来。不亦楽。いや、共に山に行かざるべけんや、である。 Kは本ブログにも、山と海外旅行の際の相棒としてたびたび登場する、中学・高校時代の同級生、高校山岳部のときの相棒。退職帰郷後も、郷里山口と東京と海外をしょ…

権現山から麻生山・三ツ森北峰

私の最も好きな山歩きの季節は、四月中旬から五月いっぱいにかけてである。最近の山歩きの中心である東京近辺の山を前提としての話だが。 その四月五月に、今年は三回しか行けなかったというか、行かなかった。その三回も奈良県の観音峰山、三輪山、山口県の…

カタクリの咲く尾根 46年振りの寂地山

5月1日。夕方からの飲み会(高校同期会)に合わせて、東京ステーションギャラリーで開催中の『アドルフ・ヴェルフリ展』を見に行こうと家を出かけたとき、電話がかかってきた。 山口県周南市のパレット画廊から、社長のHさんが亡くなられたとの報。享年79…

伊勢・大峰・大和への旅(観音峰山・三輪山) その2

4月12日 雨後曇り 強風 前夜半から嵐。台風並みの低気圧だとか。朝になって雨は多少小やみになったが、相変わらずの強風。もとより八経ヶ岳へのアプローチの林道も通行禁止で、登りようがない。登山は中止、強風の中、天川村観光の一日である。今日もA君に付…

伊勢・大峰・大和への旅(観音峰山・三輪山) その1

伊勢から大峰、大和へ、一週間の旅をした。三つのテーマ、三つの目的地、三つのパーティーの小旅行を一つに合体させたものである。 一番目の旅は、高校同期の飲み会仲間との年に一度の小旅行。毎年桜を見ることが口実の一つである。4月8日、8:10東京駅集合…

マイナー・バリエーションルート:小路沢ノ頭北尾根から笹子雁ヶ腹摺山~送電線尾根下降

二週間前に水野田山から古武山、徳並山と登った。その徳並山南尾根下降の際から見た(発見した)印象が忘れられず、小路沢ノ頭北尾根を登りに行った。 ↓ 徳並山南尾根から見るお坊山(左)から小路沢ノ頭(右)の稜線。右端が小路沢ノ頭北尾根(3月9日) 小…

甲斐のマイナールート、水野田山・古武山・徳並山

[コースタイム]2017年3月9日 甲斐大和駅9:45~松智院10:07~マイクロウェーブ反射板11:10~水野田山11:18~林道:大志戸木の実の里森林公園11:35~大天狗12:25~古武山13:12~西大志戸山14:45~徳並山15:00~果樹園舗装道路16:43~甲斐大和駅16…

「赤線」を引きに九鬼山から鈴ヶ尾山へ

【コースタイム】2017.2.22(水) 田野倉駅~9:50~登山口10:08~池ノ山10:42~九鬼山11:45~高指13:45~桐木差山14:00~林道鈴ヶ音峠14:20~鈴ヶ尾山14:48~朝日小沢16:00~猿橋駅16:20 今回の計画は、九鬼山から東に延びる尾根を辿って鈴ヶ尾山…

雪の奥武蔵・丸山から高山不動へ (2017.1.25)

【コースタイム】2017.1.25 快晴 芦ヶ久保駅10:25~分岐道標11:00~丸山(960.3m)12:30-12:55~カバ岳13:44~ツツジ山879.1m14:45~関八州見晴台16:20~高山不動~大久保入17:30頃~吾野駅18:40 今年二度目の山は奥武蔵、丸山から高山不動へ。特…

2017年初登山 「山椒は小粒でも・・・」 花咲山と岩殿山  (2017.1.6)

月に2回×12ヶ月=24回の山登りと、「2時就寝~9時起床(本当は1時就寝~8時起床としたいところだが、まずは段階的にと)」という目標を、懲りもせず今年も年度目標として掲げた。 さて、今年の初登山である。どこに行こうか。「2時~9時」あるいは「1時…

「日本のカッパドキア」深草観音から鹿穴~大蔵経寺山へ (2016.12.20)

「明日山に行かないか?」と、Kからの電話。速攻で「行こう!」と答える。 前回の山行から中一ヶ月。例によってこの間、何度も計画しては、そのたびに挫折した。日々、制作にまじめに取り組んでいる。作品は確実に進んでいる。その分、山に行く「気」が充ち…

42(?)番目、20年ぶりの百名山 祖母山  2016.11.7

前回8月の燕~槍縦走ですっかり味をしめたというか、意気投合したメンバーで、二回目の防高山岳部OB会(?)の秋山合宿をやろうということになった。基本は山口と東京の中間あたりの百名山ということと、私の個人的なつてもあって、いったんは大峰山という…

燕岳から槍ヶ岳へ(30年振りの北アルプス・45年振りの防高山岳部夏山合宿) -2 

8月3日 4:00起床。快適とは言い難いが、まあなんとか眠れた。夜半、雨が降ったが、明ければ上空は良く晴れている。下界は一面の雲海。日の出を見る。格別な太陽信仰は持たぬにしても、やはり荘厳としかいいようのない、光と彩の織り成す壮大なドラマである…

燕岳から槍ヶ岳へ(30年振りの北アルプス・45年振りの防高山岳部夏山合宿) -1

高校(山口県立防府高等学校=防高)時代、山岳部に所属していた。45年前のことである。美大・芸大進学志望ではあったものの、思うところがあり、美術部には入らなかった。その、ほぼ灰色に近かった高校時代を振り返ってみるとき、山岳部の思い出だけが、わ…

宮沢賢治ゆかりの山を登る-2 『風の又三郎』の原点、種山ヶ原・物見山

7月15日、岩手の山旅も四日目、最終日である。今日の予定は姥石から種山ヶ原(物見山869.9m)に登り、夕方の新幹線で帰ることだけだ。山歩きは実質1時間半ほど。登山口の姥石までどのくらい時間がかかるかわからないが、たいしたことはあるまい。おそらく…

宮沢賢治ゆかりの山 ― 1 『銀河鉄道の夜』の舞台、南昌山

初めて宮沢賢治を読んだのは、小学校の4年生か5年生の時。そのころ私はすでに重度の活字中毒・読書好きであったにもかかわらず、わが家では本を買うという習慣がほとんど無かった。あるのは姉たちが定期購読していた学習雑誌か、農業雑誌の「家の光」(ああ…