艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

アメリカに行ってきた -1 

アメリカに行ってきた。 

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若い頃の、ベトナム戦争やら何やらの影響というか、こだわりのようなものがあって、「資本帝国主義国」アメリカに行くことはたぶん一生ないだろうと思っていたし、公言もしてきた。また、アメリカ美術と言えば、抽象表現主義ポップアート以降ということになろうが、それらに対してさほど興味を持てなかった、魅力を感じなかった、ということもある。

前者に対してはその当時の心情を今でも否定する気はないが、さすがに40年以上も経てば世界は変わっていることも否定できない。

ともあれ、私の「これからの旅のリスト」に、アメリカは入っていなかった。今回の旅はやや唐突というか、偶然に発生したのである。

 

中学校と高校山岳部時代の同級生のKとは、いずれも短期ではあるが、これまでトルコ、台湾、バリ島、カンボジアラオスと5回も一緒に海外旅行を共にした。彼は日本を代表するある大手メーカーの社員として10数年アメリカに滞在し、その後帰国したものの、以後も世界各地を仕事で駆け回っていながら趣味が海外旅行だという男。高校時代に毎月一緒に山に登っていれば、中30年の空白があっても、結局いやでも気心は知れている。その彼がいよいよめでたく完全退職、帰郷するにあたって、有給休暇を消化する必要が出てきたとの由。

月に一度の飲み会でそんな話を聞いているうちに、そう言えば俺はグランドキャニオンやヨセミテには昔から行ってみたかったんだよなと、ふと思いだした。一生アメリカに行かないということは、一生グランドキャニオンやヨセミテに行けないということである。アメリカには別に行きたくもないが、グランドキャニオンやヨセミテには行ってみたいというのが偽らざる本音である(らしい)。Kはグランドキャニオンにもヨセミテにも何度も行っているくせに、締めくくりとしてもう一度行きたいと言う。しかもあれこれ調整して、2週間休みが取れると言う。2週間あればグランドキャニオンとヨセミテだけではお釣りがくる。ここはやはり長い間の怨讐(?)を忘れて「アメリカ美術」を見に行かねばなるまい、となった次第である。

 

私に限らず、日本から見ていてアメリカは最も多くの情報が入ってくる外国であろう。したがってイメージとしては格別、異文化という気がしない。実際に行ってみればやはりそれなりの異文化体験はあったのだが、おおむねイメージの想定内だった。だから今回は特に旅行記めいた記述は載せずに、行動の概略のみを「アメリカに行ってきた-2」として記す。ここにエクセルを貼り付けられれば簡単なのだが、私にはできない。

それとは別に「『○○美術を巡る旅』の終焉」ということを「アメリカに行ってきた-3」として書く。またグランドキャニオンとヨセミテのトレイル歩きについては、別に「山」のカテゴリーに書こうと思っている。

                          (2015.10.6)                 

 付記:「モロッコ旅行記」、中断中ですが、とりあえず記憶の熱いうちにこちらから先にやります。「モロッコ」の方もいずれ書き続けるつもりですが、さて・・・。