艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

秘境ルートの裏山歩き 城山南峰~秋川丘陵~小峰公園 (2020.4.25)

 昨日、所用があって福生に行った。午後3時過ぎの五日市線青梅線で山姿の人を見かけたのは一人だけ。外出自粛には、公共交通機関利用の近郊登山もいやおうなしに含まれるのだろうか。私がそうした山登りになかなか行かない(行けない)のは、自粛でもなんでもなく、ただ単純に早起きができないという情けない個人的事情にすぎないのだが、それすらも「自粛」すべきだというのが、昨今の世情のようだ。反論することもかなわないが、「欲しがりません。勝までは」とか「贅沢は敵だ」といった、かつてあった標語が、大気中に蔓延しているようだ。敵はコロナウィルスという、生物ですらないもの(学者によって異説あり)なのだから、勝てそうもない。

 ともあれ、心身の健康維持、体調管理のために、自宅から歩きでの裏山歩きをしなければならない。「三密」を意識したわけではないが、ルートは弁天・城山エリアから秋川丘陵をつなぐほぼ秘境ルートである。

 

 ↓ ここはまだ歩き始めの、城山への一般ルート。山ツツジ

f:id:sosaian:20200425215319j:plain

 

 西からの網代城山への登山道に入ってまもなく、うっすらと右に分岐する踏み跡を辿る。

 

 ↓ かすかな踏み跡(仕事道)

f:id:sosaian:20200425215431j:plain

 

 すぐに小沢にかかる三本の丸木橋

 

f:id:sosaian:20200425215518j:plain

 

 それを越えて左手の尾根に登る。昔からの仕事道だろうが、数年前に一帯が間伐され、歩きやすくなったようだ。山歩きの対象としてこの小尾根を登る人はまずいない。

 

 ↓ 植林帯の中のかすかな踏み跡。間伐されて、やや明るい。

f:id:sosaian:20200425220501j:plain

 

 

 植林帯を抜ければ新緑の広葉樹林帯となり、ほどなく城山と秋川丘陵をつなぐ尾根と合流する。

 

 ↓ 植林帯を抜けると広葉樹の新緑

f:id:sosaian:20200425215653j:plain

 

 寄り道になるが、一応すぐ先の城山南峰に登る。なんの変哲もない一地点に過ぎないが、かつてはなかった山名表示板がある。裏面には例のよくわからない「東京三五〇」。昨年登った入山尾根でも見たことがあり、その時調べたのだが、何となくいまだに正体不明。

 

 ↓ 網代城山南峰。何の変哲もない一地点。

f:id:sosaian:20200425215723j:plain

 

 ↓ 山名表示板 裏には「東京三五〇」

f:id:sosaian:20200425215750j:plain

 

 引き返して、秋川丘陵につながる、ゴルフ場脇の尾根を辿る。手入れはほとんどされていないようだが、トラロープが設置されているところもあり、仕事道としては生きているようだ。ところどころ倒木などもあるが、特に問題はない。コナラなどの新緑が美しい。

 

 ↓ 途中で見かけた藤蔓のⅩ固め!

f:id:sosaian:20200425215842j:plain

 

 ほどなく秋川丘陵と合流する。ここで「秘境ルート」は終わり。とある送電線鉄塔の基部でイタドリの若芽を採取。たしか前にはワラビが生えていたところだが、今回はない。そういう場所には除草剤が散布されている(?)ようなので、その影響なのか。

 

 ↓ イタドリ(帰宅後)。 うまそうだが、さてどうやって食おうか。

f:id:sosaian:20200425220051j:plain

 

 秋川丘陵に入ると植林の割合が増え、やや荒れた感じだが、まあこんなもんだ。展望のほとんどない、ゆるやかな上り下りの繰り返し。

 

 ↓ 途中で垣間見た新緑の景。

f:id:sosaian:20200425215930j:plain

 

 ↓ 途中から見る網代城山(左)と南峰。南峰の左下に延びるラインが登ってきた小尾根。

f:id:sosaian:20200425215956j:plain

 

 いくつかの鉄塔をこえると、木橋のかかった鞍部。

 

 ↓ 旧小峰峠(?)

f:id:sosaian:20200425220019j:plain

 

 

 ここが旧小峰峠なのか。左右ともに荒れ果てており、直下をトンネルが通っているはずなので、辿ってみる気にはなれない。

 そのまま進めば桜尾根との分岐の大きな馬頭観音に出る。そこから下りればすぐに小峰公園。

 

 ↓ 小峰公園桜尾根を下る。数年前に尾根のほぼ全体に木製階段が設置された。

f:id:sosaian:20200425220211j:plain

 

 ここにも「使用自粛」の表示がなされていた。ちょっとばつの悪そうなバードウォッチャーが一人、目をそらす。

 

 隣の家の娘さんが小さい子を連れてコロナ疎開して来ている。行き場所のない元気あふれるお子さんを連れてこの小峰公園に来てみて、「使用自粛」の表示を見て嘆いていたとの由。都心の代々木公園や新宿御苑などについては、ある程度の規制もやむをえないかとは思うが、こんなめったに人の来ないようなところまで規制するというのも、どうなんだろう。お役所仕事とはいえ、うっとおしいことである。

 体制には逆らいたいが、ことコロナに関しては、逆らいづらい。これからも当分こうした情況は続きそうだが、近郊登山はともかく、せめてほとんど人の来ない裏山歩きは続けたいものだ。

 

 ↓ おまけに、三年ほどまえに撮影した熊のものと思われる爪とぎ跡。近くには熊のものと思われる糞もあった。たまにこんなところまで散歩に来るやつもいるのだろうか。

f:id:sosaian:20200425220242j:plain