艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

小ペン画ギャラリー-28 「2年前の9月」

 「小ペン画ギャラリー」の投稿は、二ヶ月以上空いた。

 先日の信州の石仏探訪の際の、8~900点ほどの写真の分類・整理がようやく終わった。投稿としては、そちらを早く出したいのだが、まだ原稿書き~分析・考察にまでは至っていない。

 それでなくても、ここのところ、旅系・石仏系の投稿が続いている。そろそろ作品・小ペン画や、美術系の投稿をしなければならない。

 

 とはいえ、ここのところ小ペン画制作は、ほぼお休み中。ということで(?)、ちょうど2年前の9月、小ペン画を制作し始めて3ヶ月ほどたって、本格化し始めた頃の作品を何点か。この頃はまだ小ペン画の制作を継続するつもりはなかったので、作品左下に通し番号は記していない。「こんなこと、いつまでやるんだろう」ぐらいに思っていた。

 その頃から2年しか経っていないのだが、作風や方法等、多少なりとも変わったように思う。ごく小さな紙の作品とはいえ、時には一日に3点も描いたりしていたのだから、あの頃はやはり何かに取り憑かれていたかのようだ。

 

 

35 結晶に聴く

 2019.9.19 13.5×8.9㎝ 和紙に膠、ペン・インク・色鉛筆 発表済

 う~ん。こんな感じ。コメントは無し。

 

 

37 まどろみ

 2019.9.19  13.3×8.8㎝ 和紙に膠、ペン・インク・鉛筆

 一日に2点も3点も描いた日もある。ペンの使い方に新しい要素が加わってきた、上手くなってきたなと思った。

 

 

38 「繭の中でまどろむ二人」

 2019.9.20  13.5×8.9㎝ 和紙に膠、ペン・インク・鉛筆 発表済

 卵形≒繭→内界、水晶柱→外界といった解釈は成り立つだろうか…?

 

 

45 「浮遊する舞踏(世界夫人)」

 2019.9.24  15×10.2㎝ 和紙にペン・インク・顔彩

 「世界夫人」とは日本のロックバンド頭脳警察が歌った「さようなら世界夫人よ」の元になった、ヘルマン・ヘッセの同名の詩に由来する。ヘッセのその詩はナチスドイツの時代に発表され、その難解さと解釈をめぐって後世のアーティストに影響を与えた。

絵柄とその詩のタイトルとは直接の関係はない、詩的結合。元になった画像は確か歴史的に有名なダンサーだったと思うが、その名前を思い出せない

 この作品を描いて、少し世界が拡張されたような気がした。それまでの小サイズのものより一回り大きい中サイズの一点目。以後、サイズは総じて大きくなっていく。同趣向のものを、もう2点描いた。

 

 

49  「迷宮の中での待機と休息」

 2019.9.25 10.9×8.9㎝ 雑紙にペン・インク

 これもまた一日に3点も描いた(描き出した)内の一つ。一日に3点も描くと、他のことはやれない。

 

 

51 「花・壺・おみな」

 2019.9.26-27 11.7×8㎝ ファブリアーノクラシコ?に膠、ペン・インク・鉛筆・コラージュ 発表済

 画面上部は自作の印刷物の一部をコラージュしたもの。

 瓶や壺や繭といったものに共通するイメージ。胎内回帰願望?壺中天?ホメオスタシス

 

 

53 「或る婦人」

 2019.9.28 12×10.6㎝ 雑紙にペン・インク・色鉛筆

 一瞬に訪れたイメージ。ネタも元もないが、エッシャーのある作品に共通するものもあるかと気づくが、それは結果論。サディズムやBDSMとも無関係。

(記・FB投稿:2022.9.27)