昨日、毎月5日に近所で開催されているはずの骨董市「五の市」に久しぶりに行ってみた。行ってはみたが、やっていない。いつの間にか第三日曜に変わったようだ。またしても世の中の変化に取り残されている。
↓ 近所の高尾公園の梅。この木だけはや三分咲き。青梅の吉野梅林に倣ってか、かつてはこのあたりを高尾梅林と言っていたこともあるようだ。
予定変更を余儀なくされ、そのまま金毘羅山への裏山散歩に方針変更。山登りも裏山散歩も、昨年は激減した。コロナ禍の影響というよりも、心境の変化プラス体力の衰え。その根底には遅寝遅起きという、生活習慣の固定化がある。
金毘羅山へは何度も登っているが、今回のルートは、ほんの少し初めて歩く部分を含んでいる。とはいえ、基本的には植林帯の何の変哲もない路筋。
↓ 基本、桧の植林帯。特に面白くはありません。体力不足を痛感。
金毘羅山の金毘羅神社とその奥の院的な「ククリ岩」では、いつもより少し丁寧に観察。
↓ 金毘羅神社社殿に掛かっていた奉納された天狗(左はカラス天狗=秋葉権現)の額。祭神は大物主神(と崇徳天皇)なので天狗は関係ないと思うが、天狗岩からの連想でこうなったのだろう。
「ククリ岩」には「イナカブ岩」の手書きの表示が付けられていたことがあった。「天狗岩」という呼称もあるようだ。イナカブは稲株だろうが、「ククリ岩」についてはどこかで読んだ記憶はあるのだが、内容は思い出せない。
↓ ククリ岩(=イナカブ岩=天狗岩)。磐座ではあるが、金毘羅神社とは直接の関係はなさそうだ。
↓ 写真には写っていないが左手前には文政11年/1828年の石祠が壊れて残置されている。新しく設置されたこの石祠の正体と時代は不明(刻字が浅くて風化しており、読めない)。横には奉塞物の丸石が二つ、ガラスかと思ったら透明アクリルの珠が一つ。
↓ ククリ岩の奥にはもう一つ先があり、下三分の二が欠損した石仏(馬頭観音?寛政十□年)と写真にはないが昭和55年/1980年の新しい地蔵菩薩合掌舟形が置かれている。これはこれで風情がある。
さてその先、どこへ行こうか。これまで歩く気になったことのない竹星林道を辿って途中から横根(?)を養沢の本巣にでも行ってみようかと、林道に下りてみたらそちら方面は「通行禁止」。無視して行ってもよいのだが、そんな気にもなれず、逆方向の深沢へ向かった。
↓ 金毘羅尾根と竹星林道がクロスした深沢寄りの路傍にある鳥獣供養塔。東京猟友会五日市支部による平成元年22年/2010年。
日本人は神仏・経典や先祖を祀り、供養するが、そのほかにもこうした鳥獣や、はてには筆や針といったモノまで供養する。モノには魂はないという外国人には理解できないようだが、はてさて…。
すぐに深沢の手前の南沢へ降りる路が出てきて、そちらに入る。少し下で二つに分かれるが表示の「山の神」にひかれ、そちらに進む。
山の神=山の神神社はアジサイ山の一画にある、特にそれらしい特徴もない普通の社。入口の石柱に書かれていることだけで、それと知られる。
↓ 降り立った南沢集落にはあちこちでミツマタの蕾がふくらみはじめていた。近くでは和紙(軍道紙)作りをしていたから、その名残なのだろうか。
↓ 集落にある民家。今時珍しい茅葺の兜造り。隣の家も大きな家で、かつての(?)山林地主だったのだろうか。
↓ 五日市駅からこの深沢一帯には「深沢小さな美術館」の美術作家・人形作家、友永詔三さんの手になるこうした「ZiZi」と呼ばれる妖精(?)が道案内をするように、いたるところに立っている。コンセプト等よくわからないが、まあ、これはこれで。
そこから先は何度も歩いている。途中の奇妙な形をした石灰岩を、あるいは寒念仏塔ではないかと覗き込んでみたが、ただの奇岩だった。
↓ 寒念仏供養塔かと思って見たら、ただの奇岩(石灰岩)だった。
ついでにそこにあった標識に従って、東京都の天然記念物になっている鳥ノ巣山石灰岩産地の山頂に登ってみる。
↓ 集落の一風情。個人の別荘だろう。これを右手に見て登る。
10分足らずで二度目の山頂。表示も何もない、つつましい小さな山頂。単なる突起だから山名もない。
↓ つつましやかな南沢鳥ノ巣山石灰岩産地の山頂。石灰岩の露頭に浸食された筋が彫り込まれている。
南沢から深沢の何度目かの穴沢天神社へ。庚申塔も道祖神も、季節のせいか、前に見た時よりもよく見える。
↓ 穴澤天神社の左、庚申塔(享保6年/1721年)と右、道祖神(安政4年/1857年)。庚申塔は、石質彫り共に素晴らしい。右第三手には蛇を持っているが、よく見ると蛇の口が開いている。そのように表現されたのは見た記憶がない。
↓ 道路沿いの窪んだ構造物。ひょっとしたら石仏でも安置されていた跡かもと思ったが、この先にも同様なものがあり、どうやら用水・排水関係のもののようだ。
途中では、数は多くないが、山茱萸(サンシュユ)?や紅梅(?)などが咲いており、はや春の気配が感じられた。
↓ 紅梅? 緋寒桜ではないと思いますが、よくわかりません。
(2021.2.6)