艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

2023-01-01から1年間の記事一覧

石仏探訪‐59 「富山~蓼科12日間の旅-② 地霊(ゲニウス・ロキ)―富山市芦峅寺・上市町大岩日石寺・他の石仏」

富山に行き「GO FOR KOGEI 2023 物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー」展を見、その後、周辺の石仏を見て歩いたのは9月のこと。もう三ヶ月も前になる。 両者はむろん直接の関係はない。だが、同時期に両方を体験した私としては、ど…

スクリプト 武蔵美・特別講義 「内省の美-石仏の魅力とは」

以下は11月11日にFBに投稿したアナウンス、11月16日に武蔵野美術大学で行った特別講義「内省の美-石仏の魅力とは」のためのスクリプト/脚本=進行メモに水上泰財教授の紹介と質問を加えたである。 本番では教員引退以後十数年振りのレクチャーということ…

閑話 「カボチャその他と花一つ」

ある日ふと気がついたら、居間の一画にラグビーボール型の物体が置かれていた。カボチャ(南瓜)。 ↓ ある日忽然と現れた物体。 女房は種をあちこちの人と交換して種類を増やしているとのこと。私は畑にはノータッチなので、詳しくは知らない。これは飛騨赤…

年末年始の展覧会3件のお知らせ

遅ればせながら、(一部はもう始まっていますが)年末年始の展覧会3件のお知らせです。 ①「『″アート″を俯瞰する』アートビューイング西多摩2023」 青梅市立美術館/青梅市12月16日~2024年2月4日 ビエンナーレ形式で、3回めの参加です。 「アートビュー…

遅ればせながらのアナウンス 

『月虹と游色 河村正之詩歌集』を発行しました。 俳句291句、詩61篇、短歌254首と、絵画作品14点を収録。四六判・上製カバー。栞もついた、本らしい本になりました。 ↓ 販促(?)用のチラシです。 画家である私が詩歌を作っていることを、ほとんどの方が…

富山-蓼科12日間の旅‐ダイジェスト版 その①(FB投稿:2023.10.8 再録)

少し前の話。縁あって、9月14日から25日まで富山から信州蓼科まで12日間の旅をした。主な内容は、以下のようなテンコ盛り。 ①富山市富岩運河周辺での「物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー 北陸工芸の祭典 GO FOR KOGEI 2023」展を見…

石仏探訪-57 「陽石・金精について」

先の5月6月の山形への旅では山登りとは別に、興味深い石仏をいくつも見ることができた。並行して「陽石」もいくつか見た。陽石は「石仏」とは呼べないが、石仏‐石造物という存在の根幹に深く通底するものである。 「陽石」とは「陽根石」つまり「勃起した男…

小ペン画ギャラリー-34 「700点」

猛暑、酷暑に打ちのめされつつ、何とかしのぎ、かわし、やり過ごす。精神と生活を退廃させず、最低限の健康を維持し制作するには、日々の家事や必要な雑事、生活、付き合い・連絡といったルーティンワークの手を抜かないことだと、自分に言い聞かせる。 タブ…

小ペン画ギャラリー33 「十六羅漢‐3」

十六羅漢、その3、シリーズ(?)の最後。 テーマ、意図については既述。結果的に9ヵ月にわたって断続的に描いた16点中、オリジナル羅漢が12点。途中での柔軟な方針変更(?)=外部性の導入による「倣貫休」が2点。そして羅漢図ではないが、同じく過去の…

小ペン画ギャラリー32 「十六羅漢‐2 倣貫休と倣非羅漢画」

十六羅漢その2。 私が興味を持つ人間像のタイプの一つに、僧侶や修道士、巫女や修行者といった宗教者の存在がある。私は無宗教者であり、無神仏論者だから、直接宗教的問題とかかわるのは難しい。だが宗教的問題そのものではなく、その周縁に位置する人間に…

石仏探訪-56 「只見町から金山町の鮭立摩崖仏へ」

7月10~12日、福島県の只見町へ行ってきた。山旅と言いたいところだが、目的①は現在進行中の、私の詩歌集(俳句・短歌・詩/自費出版です)の編集作業の詰めを対面で行うこと。(秋ごろ?発行の目途がたったら、またアナウンスします。) 30年以上前に…

小ペン画ギャラリー31+石仏探訪57 「十六羅漢‐1」

小ペン画とは限らず、作品を「○○シリーズ」と自分で名付けることはしない。ヴァリエーションということはある。あるモチーフやテーマから、結果として、たまたま必然的にいくつかの関連性のある作品が生まれ出たときの話。今回は結果としてだが、途中から例…

「擬死再生=生まれかわり」の山歩き‐月山と月読命(2023.6.21)

縁あって、五月に引き続き今年二度目の山形の旅、六日間。 今回は修験道に縁と関心のある奈良県在住の若い作家A君と、そのパートナーのやはり作家兼援農旅人のTさんに誘われて、出羽三山めぐりが軸。修験道を補助線とする「擬死再生=生まれかわりの旅」(そ…

旅のカケラ あるいは探訪余録 「風化・剥落・褪色の美」

旅先で、あるいは近所の散歩であっても、いろいろなものを見る。その気になればいろんなものが目に入ってくる。だが毎日通りかかって目にしているはずなのに、ある時まで全く気付かないものもある。人は自分が見たいと思うものしか見えないというのは本当だ。…

山歩記+石仏探訪-55「水晶山に姥神を求めて」(2023.5.27)

5月27日、山形3日目、水晶山667.9m。 朝、天童に移動し、宿に荷をあずけ、タクシーで麓の集落の少し手前まで行く。今日の標高差は445m。ふつうに登れば1時間半だから、前後にゆっくり石仏探訪も楽しもうという魂胆。 水晶山は奥羽山脈の支脈のそのまた…

山歩記「奥羽山脈 面白山」(2023.5.26)

ここニ三年恒例化している東北山形への、山と石仏の旅。 前日山形入りし、山形駅周辺の石仏を少し見て歩いた。案外面白いものがあり楽しめたが、写真の分類整理はまだまだこれからで、今回は紹介できない。 5月26日朝、仙山線の面白山高原駅で降り、すぐ…

石仏探訪-54「転落した金剛の滝の不動明王、その他あれこれ」

石仏探訪-54「転落した金剛の滝の不動明王、その他あれこれ」 二ヶ月ほど前に女房の知り合いのAさんが、「金剛の滝の不動明王が下に落っこちている」という投稿をされ、私にも質問がきた。元あった数m上の岩壁部に据え直したいとの意向のようだが、さて??…

展覧会のお知らせ(記録用 再投稿)

お知らせです。 日々、あわただしく時が過ぎてゆきます。間際になってしまいましたが、展覧会のお知らせです。 西荻窪、数寄和で、4月28(金)~5月15(月)、『絵、爛漫』。*5/7(日)・14(日)は休廊。13:00~19:00。 小品のみですが、いろい…

小ペン画ギャラリー‐30「今年になってからの近作」 

前回の「小ペン画ギャラリー」を投稿したのが昨年11月23日だから、5カ月近く空いた。ありゃま?そんなに経ったっけ?という、日々の流れ。 ということで「近作」だが、①今年になってからの作品から、②女房が選んだもの、というのが条件。 1月のペン画の制…

近況:「『あきる野便り』・MWW・イタドリ」

少し前に取材を受けた「あきるの便り」が昨日届いた。読売新聞の販売店があきる野市や近辺の日の出町、檜原村などに配布している地域情報誌。さっそく「見ましたよ」という電話やら近所の人からの声掛けがあり、部数の多さゆえの反響にちょっと驚く。1日だけ…

お知らせ

西荻窪の数寄和にて1月15日まで個展開催中。 若いスタッフが動画をアップしてくれました。 いつもと違ったこんな角度から見てもらえれば、また違った印象を感じてもらえるかも、です。 www.facebook.com

石仏探訪‐53 「今年の石仏探訪 あれこれと」

石仏探訪とはいうものの、それ自体を目的として丸一日を費やすことはめったにない。たまに半日2~3時間、多くは何かのついでの寄り道で1~2時間ということの方が多い。 昨年2022年は45回(+α)。今年になってから行ったのは、今日2月13日までで7回…

石仏探訪‐52 「余録‐蕎麦の会と石臼塚」

12月25日、世間ではクリスマス。私は縁あって、あきる野市養沢の山あいで蕎麦の会。 さすらいの蕎麦職人Mさん手打ちの蕎麦三昧。蕎麦刺し、産地違いの極細麺三枚、その他、合鴨の治部煮、だし巻き卵、手作り凍みコンニャク、etc、etc、最後に蕎麦ゼリ…

「2022年 私の読書」 (FB投稿の再録)

個展も終わり、作品もとうに返却されてきた。見に来ていただいた方、ありがとうございました。見に来れなかった方、残念でした。またの機会に。 個展が終わってしばらくの間は、気抜けというか、脱力状態が続く。事後・事務処理のほかはこまごました些事、雑…

「個展のお知らせ (再録)」

[*2023年1月5日にFBに投稿したものの再録です。すでに終わった個展ですが、ブログ未掲載の作品が何点かありますので、記録の意味もかねて再録します。] 明日から個展が始まります。 それに先立って恒例(?)の女房からのアナウンスです(感謝してます…

近況+旅のカケラ「ギリシャ 2010年9月」

[*2022年8月19日にFBに投稿したものの再録です。だいぶ前のものですが、ブログにアップしそこなっていました。] ●近況① 予定していた旅の一つ、長野県Y町のNさんの別荘で涼しい夏をすごすというプランが、諸般の情況から流れた。残念だが、来年に期待し…

旅のカケラ「キューバ 2011年3月」

[*2022年8月19日にFBに投稿したものの再録です。だいぶ前のものですが、ブログにアップしそこなっていました。] 昔から夏は苦手。暑い日が続くと、魂の3割と知性の4割がたは、溶け出していく。 「夏が来れば思い出す はるかな尾瀬 水芭蕉」。山には行…

「旅のカケラ‐動物篇①/山羊・羊」

[*2022年12月1日にFBに投稿したものの再録です。] 先日、カモシカと山羊の写真をアップした。山好き旅好きだから、その副産物として、時おり動物を撮るということはある。 ふと思い立って、過去の山や旅の写真を整理かたがた少し見直して見たら、思って…