石仏探訪
今回の旅の最大の目的は、O氏にとって「チャツボミゴケ公園」に行くことだった。 チャツボミゴケとは、強酸性の温泉水が流れる場所に育つ最も耐酸性の強い特異な苔。阿蘇などの温泉場や鉱山跡地などでも見られるが、ここの「穴地獄」が最大の群生地だそうだ…
O氏に誘われて、群馬県の中之条~草津~長野原~四万あたりをウロウロしてきた。「チャツボミゴケ公園に行きたい」のだとか。なんだ?それ? そこは「冬季閉鎖中だが、ガイドを雇ってスノーシューを履けば行ける」とか、「良い百八観音がある」とか、訳のわ…
*FB投稿の再録です。 昨年末からだいぶあわただしい日々が続きましたが、何とかこなし終えての1月15日から23日の、大阪~奈良+京都の9日間の旅のダイジェストです。 1月15日 何百回か通過はしたものは、滞在するのは初めての大阪へ。夕方、京都在の高校…
富山に行き「GO FOR KOGEI 2023 物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー」展を見、その後、周辺の石仏を見て歩いたのは9月のこと。もう三ヶ月も前になる。 両者はむろん直接の関係はない。だが、同時期に両方を体験した私としては、ど…
以下は11月11日にFBに投稿したアナウンス、11月16日に武蔵野美術大学で行った特別講義「内省の美-石仏の魅力とは」のためのスクリプト/脚本=進行メモに水上泰財教授の紹介と質問を加えたである。 本番では教員引退以後十数年振りのレクチャーということ…
先の5月6月の山形への旅では山登りとは別に、興味深い石仏をいくつも見ることができた。並行して「陽石」もいくつか見た。陽石は「石仏」とは呼べないが、石仏‐石造物という存在の根幹に深く通底するものである。 「陽石」とは「陽根石」つまり「勃起した男…
7月10~12日、福島県の只見町へ行ってきた。山旅と言いたいところだが、目的①は現在進行中の、私の詩歌集(俳句・短歌・詩/自費出版です)の編集作業の詰めを対面で行うこと。(秋ごろ?発行の目途がたったら、またアナウンスします。) 30年以上前に…
小ペン画とは限らず、作品を「○○シリーズ」と自分で名付けることはしない。ヴァリエーションということはある。あるモチーフやテーマから、結果として、たまたま必然的にいくつかの関連性のある作品が生まれ出たときの話。今回は結果としてだが、途中から例…
縁あって、五月に引き続き今年二度目の山形の旅、六日間。 今回は修験道に縁と関心のある奈良県在住の若い作家A君と、そのパートナーのやはり作家兼援農旅人のTさんに誘われて、出羽三山めぐりが軸。修験道を補助線とする「擬死再生=生まれかわりの旅」(そ…
ここニ三年恒例化している東北山形への、山と石仏の旅。 前日山形入りし、山形駅周辺の石仏を少し見て歩いた。案外面白いものがあり楽しめたが、写真の分類整理はまだまだこれからで、今回は紹介できない。 5月26日朝、仙山線の面白山高原駅で降り、すぐ…
石仏探訪-54「転落した金剛の滝の不動明王、その他あれこれ」 二ヶ月ほど前に女房の知り合いのAさんが、「金剛の滝の不動明王が下に落っこちている」という投稿をされ、私にも質問がきた。元あった数m上の岩壁部に据え直したいとの意向のようだが、さて??…
石仏探訪とはいうものの、それ自体を目的として丸一日を費やすことはめったにない。たまに半日2~3時間、多くは何かのついでの寄り道で1~2時間ということの方が多い。 昨年2022年は45回(+α)。今年になってから行ったのは、今日2月13日までで7回…
12月25日、世間ではクリスマス。私は縁あって、あきる野市養沢の山あいで蕎麦の会。 さすらいの蕎麦職人Mさん手打ちの蕎麦三昧。蕎麦刺し、産地違いの極細麺三枚、その他、合鴨の治部煮、だし巻き卵、手作り凍みコンニャク、etc、etc、最後に蕎麦ゼリ…
2日前、クロモジ茶用のクロモジを採りに行くという女房の車に便乗。以前から気になっていた檜原村、南秋川の最奥の集落、数馬を訪ねた。数馬には何度も行っているが、石仏を目的としたことはなかった。 数馬には数馬上と数馬下があり、派生的な小集落もある…
群馬県在の作家O氏から電話。桐生から日光への旅に誘われた。 40年来の知り合いだが、そう深い付きあいがあったわけではない。ごくごく淡い縁。なぜ誘ってくれたのか、今もよくわからないが、これもまあ、ありがたい機縁だ。 10月18日、桐生で、彼も実行委員…
10月某日。誘われて、あきる野市のとある山あいでの「ピザの会」。 手作りの窯で焼いたピザ、その他あれこれ、美味しかったです。私も熊汁を圧力鍋ごと持って行った。昼すぎから夜更けまで、延々とだらだらと、飲み、かつ食べた。 参加者の一組が連れて来て…
もうこうなったら、半分意地(?しかもまだあと二つある)。信州石仏探訪・その4。 今回取り上げるのはすべて文字が刻まれただけの塔、文字塔である。地味である。パッと一目見てわかる像の美しさや、キャラクター的面白さ、彫刻美といったものはない。抽象…
信州の石仏と言えば、道祖神、中でも宮廷衣装や神官装束姿の男女の神像が仲睦まじく寄り添ったタイプの双体道祖神が有名だ。だが、有名なものは見たがらないという私の趣味(悪癖)もあり、今回まわった諏訪市、茅野市ではほとんど見かけなかった。同行のCち…
神仏に男女の区別があるかどうかということになると、神道系・民間信仰系では男神女神の区別が比較的はっきりしているようだ。だが、山の神や道祖神あたりになると、地域によって諸説がある。性を問わない、持たない神も存在する。 キリスト教だと、確か天使…
先日の信州の7日間の旅のうち、石仏探訪に専念したのは二日半だが、それ以外の日も途中途中で数多くの石仏を目にした。写真に撮ったのはそれらのうちのほんの一部でしかないが、さすが石仏王国。初めて見る像、面白い像も多く、驚きと感激の連続だった。圧倒…
8月13日は近所の小和田地区の花火大会。台風接近でどうなるかと思われたが、奇蹟的に雨はやみ、30分ほど遅れて開始。 ↓ スマホのオートで撮ればこんなものか。でも昔のガラケーとは段違い。 「日本で一番小さな花火大会」と銘打った、地元自治会主催の…
9月7~13日、信州を旅した。蓼科、別所温泉、木曽駒ヶ岳、乗鞍岳、そして諏訪市と茅野市の石仏探訪。 前半は高校山岳部OB・OG会の仲間と、蓼科の山荘ベースの行動。 初日は天気が悪く、上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」や別所温泉周辺のあち…
8月30~31日、友人S夫妻と女房とで、伊豆と箱根に行ってきた。 50年近く前に、ほんの淡いかかわりがあっただけの、小山利枝子さんの池田二十世紀美術館での回顧展を見に。プラス箱根方面の石仏探訪。 会場での撮影はOKだったが、SNSへのアップは「禁止…
猛暑が続いた日々、昼間はほぼ外出しなかった。暑さには弱いのだ。少し暑さが和らいだ7月6日、思い立って日の出町の白山神社(白山さま)に行った。 ↓ 参道 一応舗装されており、車で上がれるが、自転車を途中にデポし、歩いて登る。写真には写っていない…
近所の正一位岩走神社を通りかかったら、茅の輪くぐりの「茅の輪」を作っていた。 ↓ 近所の方数名が作業していた。ご苦労様です。 ↓ 茅(ちがや)とはいうものの、近くの横沢入で採った葦のようだ。使っているのは真新しい押切。昔実家で牛を飼っていた頃、…
廃仏毀釈に関する本を読むと、私の故郷山口県はそれが最も激しかったところの一つという記述が必ず出ており、さもありなんと思っていた。ところが今年になって二度帰郷したおりに、あちこちと歩いてみれば、その説が信じられないほど数多くの石仏があった。…
5月30日~6月4日、所用2件を携えて帰郷(所用の件は省略)。その一日、萩市(旧阿武郡田万川町)の足摺山に登った。出発直前にKがネットで見つけた石仏の山だが、ほとんど知られていない。私も知らなかった。急きょ、高校山岳部OB関係の5人が集まる。 …
(前後しますが、4月16日に新幹線車中からFBに投稿したもののブログ再録です。) 旅に出ています。前半、奈良葛城から和歌山由良町へ。 一日、海釣り(チヌの紀州釣り)に挑戦するも、釣果ゼロ。日に焼けただけでした。 一日は一人、近くの黒山と重山に登…
4月10~12日の11泊12日の旅を終え、帰京した。11泊12日はけっこう長い。 奈良県の葛城市・御所市・奈良市、和歌山県の由良町、山口県の下松市・山口市・防府市を訪れた。実家の改葬関係のミッション(これが旅立ちの理由)のほかに、3回の山行で4つの山(…
(記・FB投稿:2022.4.7) 石仏(石造物)との接し方には、大きく分けて三種類の観点・態度がある。 一つは、学術的というか、歴史的な観点からの接し方であり、民俗学や宗教史の観点も含む、いわば知的態度。 二番目には、美術として見る、味わう接し方。…