艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

2016-01-01から1年間の記事一覧

「日本のカッパドキア」深草観音から鹿穴~大蔵経寺山へ (2016.12.20)

「明日山に行かないか?」と、Kからの電話。速攻で「行こう!」と答える。 前回の山行から中一ヶ月。例によってこの間、何度も計画しては、そのたびに挫折した。日々、制作にまじめに取り組んでいる。作品は確実に進んでいる。その分、山に行く「気」が充ち…

敗退の笹子・中尾根から達沢山  (2016.10.21)

(本稿は二つ前の山行記録です。いったん書き出したもの、敗退記ではあり、中断していたのですが、自戒のためにあえて書きあげてアップすることにしました。) 前回の山行から二カ月以上空いてしまった。暑くて不快な夏。不順な気候。トランスコーカシア三国…

晩秋の大羽根山からトヤド浅間へ (2016.11.18)

それにしても、なぜ?と思う。わが悪癖、遅寝遅起きという生活習慣についてである。いや、それはその理由や問題点などすべてわかっているのだが、それがなぜ海外や旅先になると全く解消して問題なく早寝早起き体制に移行できるのかということである。 海外で…

42(?)番目、20年ぶりの百名山 祖母山  2016.11.7

前回8月の燕~槍縦走ですっかり味をしめたというか、意気投合したメンバーで、二回目の防高山岳部OB会(?)の秋山合宿をやろうということになった。基本は山口と東京の中間あたりの百名山ということと、私の個人的なつてもあって、いったんは大峰山という…

燕岳から槍ヶ岳へ(30年振りの北アルプス・45年振りの防高山岳部夏山合宿) -2 

8月3日 4:00起床。快適とは言い難いが、まあなんとか眠れた。夜半、雨が降ったが、明ければ上空は良く晴れている。下界は一面の雲海。日の出を見る。格別な太陽信仰は持たぬにしても、やはり荘厳としかいいようのない、光と彩の織り成す壮大なドラマである…

燕岳から槍ヶ岳へ(30年振りの北アルプス・45年振りの防高山岳部夏山合宿) -1

高校(山口県立防府高等学校=防高)時代、山岳部に所属していた。45年前のことである。美大・芸大進学志望ではあったものの、思うところがあり、美術部には入らなかった。その、ほぼ灰色に近かった高校時代を振り返ってみるとき、山岳部の思い出だけが、わ…

宮沢賢治ゆかりの山を登る-2 『風の又三郎』の原点、種山ヶ原・物見山

7月15日、岩手の山旅も四日目、最終日である。今日の予定は姥石から種山ヶ原(物見山869.9m)に登り、夕方の新幹線で帰ることだけだ。山歩きは実質1時間半ほど。登山口の姥石までどのくらい時間がかかるかわからないが、たいしたことはあるまい。おそらく…

宮沢賢治ゆかりの山 ― 1 『銀河鉄道の夜』の舞台、南昌山

初めて宮沢賢治を読んだのは、小学校の4年生か5年生の時。そのころ私はすでに重度の活字中毒・読書好きであったにもかかわらず、わが家では本を買うという習慣がほとんど無かった。あるのは姉たちが定期購読していた学習雑誌か、農業雑誌の「家の光」(ああ…

中身の濃かった裏山歩き―金剛の滝綴景 2016.7.17

たまたまちょっとした用事があって帰って来ていた息子が、今日の予定が流れたとのことで、急きょ一家三人で近くの金剛の滝まで散歩に行くことになった。まあ単なる「裏山散歩」で、特段ブログにアップするほどのことでもないのだが、ここのところ更新をサボ…

新緑から万緑の世界へ 御坂・黒岳から釈迦ヶ岳へ

また中一ヶ月空いてしまった。この間一度、わが「裏山」の秋川丘陵の小峰公園桜尾根から金剛の滝をへて、今熊山505mというコースを歩いてはいる。歩程3時間ほどで、一部初めて歩く部分も含まれているのだが、「登山」というよりはやはり「裏山歩き」の延長…

緑に癒され 風に吹かれ 股関節痛に悩まされ~ 外秩父・鐘撞堂山から陣見山へ

一週間ほど前から右の股関節の調子が妙な具合に痛い。二三日前も一時間少々の裏山歩きのあと、舗装道路に降り立ったとたん、右足がアレっという感じで、一歩二歩が前に出なくなった。なんとかだまして歩いたが、なんだ?これは?といった感じだった。 その少…

筍を掘る! 

四月、春たけなわ。「四月は残酷な月だ」と歌った詩人もいたが、つまりそれは裏返しの生命力の祝歌(ほぎうた)である。 ↓ わが家の枝垂桜 清楚にしてあでやか ↓ アトリエから見るNさん宅の八重桜 物狂おしく、妖しきほどに濃厚 ↓ 同上 この過剰なまでの豊穣 …

『国会議事堂・四季山水画壁画』の謎 

某月某日、安保法制施行の日、国会議事堂を見学に行った。私と国会議事堂-われながら似合わない組み合わせだとは思うが。 外側の正門前では多くの人が抗議行動を行っている。私の居るべき場所はあちら側ではないのか。 ここ数年、高校時代の同期で月に一度…

カモシカとご対面 笹子から大沢山・大洞山・笹子峠へ (2016年4月6日)

またしても中一ヶ月空いてしまった。ブログのことではない。いやブログもそうだが、山のことである。ここまで確実に月一のペース。しかし、もう何も言うまい。ともあれ一ヶ月ぶりに登ってきたのだ。 ルートは、ここのところポピュラーなところが続いたが、日…

百蔵山から扇山へ(2016年3月1日)

「月に二回の山行」という年度目標は、一月二月を通じて、早くも崩壊しつつある。 しかし、「12ヵ月×2回=年間24回」と読み替えれば、何の、まだ充分可能性はある、ということで気を取り直して、百蔵山から扇山へと歩いてきた。 百蔵山と扇山はその位置が良…

葛藤と挫折の果ての馬頭刈山 (2016.2.11)

例によって例のごとし。 山に行きたいのに、行けない。山に行くべきなのに、行かない。 この葛藤というか、二律背反、あるいはダブルバインディングについては、自分でもよくわからない。説明できない。遠足に行きたくない子が、遠足の前夜あるいは当日の朝…

久しぶりの雪の山 高川山

何となく復活の兆しを見た昨年をうけて、今年の目標もまた「月に二回の山行」と、ひそかに自信を隠して打ち上げたのだった。だが、先にブログに書いたように(「老醜酔惨~思いっきりコケた」)、正月早々に転んでひざを強打し、しばらく山どころでなかった…

美術館探訪録―2015年 1.国内篇

以下に記すのは昨年2015年に日本国内で見た展覧会である。基本的に入場料を払って見た美術館・博物館での展覧会だが、一部には無料のものもある。寺院・教会・遺跡等も含む。一般画廊の個展等は含まない。回数で言えば29回。 私はごく簡単なものではあるが、…

老醜酔惨~思いっきりコケた!

某月某日夕方、そろそろ制作に取り掛かろうかとしていた矢先、電話が鳴った。福生在の画家M君からである。共通の教え子だったHが鹿沼から泊まりがけで遊びに来ているから、一緒に飲まないかとの由。異存はない。退職以来、社会的生活に縁が薄くなったおか…

プロフィール写真について~光陰矢の如し

1年間ブログのプロフィールの顔写真の欄が空白というか、グレーのシルエットのままですごしてきた。今現在の素顔をそのまま晒すということに抵抗があったからである。ありていに言えば、私は今の自分の顔があまり好きではないのだ。 グレーのシルエットのま…