艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

閑話 「カボチャその他と花一つ」

 

 ある日ふと気がついたら、居間の一画にラグビーボール型の物体が置かれていた。カボチャ(南瓜)。

 

 ↓ ある日忽然と現れた物体。

 女房は種をあちこちの人と交換して種類を増やしているとのこと。私は畑にはノータッチなので、詳しくは知らない。これは飛騨赤皮カボチャという種類。

 

 翌日には、別のカボチャがいくつか追加されていた。全部違う種類。むろんカボチャ好き、あれこれ違った種類のものを育てるのが好きな女房のしわざ。

 

  右奥ラグビーボール型が、飛騨赤皮カボチャ。その左の黄色がかったのが赤皮カボチャのはずだが、ハニーナッツという種類と「交雑したかも」というもの。その左の小さい緑色のは八ヶ岳白皮カボチャ(「交雑したかも」)。手前左のオレンジ色のが、カチワリカボチャのはずだが「混ざったかも」。手前右のイボイボのやつは近所の人から貰った、野良生え(のらばえ‐勝手に生えてきた)の正体不明のもの。何だか、交雑した可能性が多いものばかりで、つまり固有種の維持はそれだけ難しいということか。

 

 カボチャは嫌いというわけではないが、特に好きでもない。ほんの少しあれば充分なのだが、「女房の好きな芋・栗・南瓜(いもくりなんきん/井原西鶴によると芋・タコ・南京)」。しかし、なぜここに置く?まあ、オブジェとしてはおもしろい。描く気はないが、絵になる。

 

 ついでに西瓜と野葡萄も追加。

 

  西瓜。ただしこれは昨年の写真。今年は細長いのやら、黒いのやらいくつも採れたが、撮影する前にみんな食べてしまった。

 

 ↓ 完熟前の野葡萄の実を少しずつホワイトリカーに漬け込む。生食はできない。

 

 野葡萄は肝臓に良いとして東日本では昔から民間薬として使われていると知ったのは、最近のこと。熟すと美しい紫色や水色になるが、完熟する前の方が薬効効果が高いというので、残念ながら美しい彩になる前に摘む。葉や蔓はもう少し後で干してお茶にする。

 

  野葡萄の熟す前の状態。もう少したつとだんだん紫やピンクや水色に色づいて、きれいになるのだが。

 

 おまけに花一つ。

 

  おそらく「ボタンヅル」。蔓性なのでこんな生け方になるが、これはまあこれで。下の方にちょっと生活感がのぞいているのが残念。

 

 ここのところ、近所のお年寄りの女性が二人で住んでいる家の草取りを、気晴らしをかねてボランティアでやっている。今日もやった。汗だくで1時間が限界。

 

  ヤブガラシやセンニンカズラやヘクソカズラや、あれこれと混ざり合ってフェンスに絡まるとこんな感じ。なかなか始末に負えない。猛暑の中でこいつらと格闘していると、つい熱中症気味になります。

 

 このつる草はフェンスに絡みついて繁茂し、まことに始末が悪い。センニンカズラに似ているが、花が小ぶりで少し違う。ボタンヅルのようだが、正確な名称はわからない。だが、少しだけ切り取ってきて活けてみれば、これはこれで案外良い花。花も置きどころだ。ここのところ、あまり花も生けなかったからこれはこれで、まあいいか。

(記・FB投稿:2023.8.30)