艸砦庵だより

河村正之のページ 絵画・美術、本、山、旅、etc・・・

個展「耀ふ静謐」 レポート―7 「をみな」に関連して

さて「レポート―7」。 前回に引き続き「をみな」関連の作品。といっても、内容、制作時期等、相互の関連はあまりないのだが、あくまで「をみな」が描かれているということで2点紹介する。 私は時々、過去の他者の作品(のイメージや構図等)を、自分の作品…

大祓形代と水無月祓いのこと

6月14日、近所のTさんが「大祓神事執行」の「大祓形代」を持ってこられた。息子夫婦と孫と合わせて五人分。 これは私が20年以上前に、現在のあきる野市高尾に引っ越してきてほどなく、斜め向かいのというか、当時は住宅が少なく、隣家というべき存在だったN…

個展「耀ふ静謐」 レポート―6 「をみな」について

さて「レポート―6」である。 何を書こうか。どれを紹介しようか。 「ところで、私はいったい何をしたいのか」、という自問自答は胸にしまっておいて、今回は「瓔珞のをみなたち」を中心に紹介することにしよう。前回が「装飾」という具体性というか再現性・…

個展「耀ふ静謐」 レポート―5(フェイスブックおよび「装飾」について、など)

個展(5.13~25 SALIOT)は終わった。 始まって見れば、予想していた以上の規模となった。例えば100号以上6点を含む全50点という点数であり、会期は二週間、会場構成は複雑で広い。また、一般的な画廊ではなく、ビジネス街での企業(製造業)のショールーム…

個展「耀ふ静謐」 レポート―4

個展「耀ふ静謐」 レポート―4 これまでどちらかと言えば、デーハな(?)作品の紹介が多かったので、今回は少し地味めなものを紹介します。 ↓ 736「アララット―いにしえの光」(41.8×59.2㎝ 2016~2018年 版画用和紙/アクリル・彩墨) アララット山は、現…

個展「耀ふ静謐」 レポート―3

674「崩壊と忘却の静謐」と675「豊饒と忘却の静謐」について。そして「SALIOTの照明について。 ↓ 675「豊饒と忘却の静謐/Quietness of fertility and oblivion」 (F300 2014-2016年 自製キャンバス/樹脂テンペラ・油彩) この画像はアトリエで大山富夫君…

個展「耀ふ静謐」 レポート―2

5月3日に始めたばかりのフェイスブック/FBとブログの関係がまだうまく構築できていないのだが、とりあえず、FBに上げたものを一応ブログに再録しておく。 レポート―1と2は、個展の紹介というのが趣旨だったから、カテゴリーとしては「近況・NEW…

個展「耀ふ静謐」レポート ―1

個展「耀ふ静謐」レポート ―1 今回の出品作を何回かに分けて、すこしずつ紹介してみます。 遠隔地で見に来られない方もいますし。 ↓ SALIOT入口 周辺はビジネス街。道行く人はビジネスマンとキャリアウーマンばかり。 SALIOT=ショールーム=ビジネス・商談…

トークショー(トークバトル?)のお知らせ

トークショー(トークバトル?)のお知らせ 5月24日金曜日17時より会場SALIOTにて秋元雄二氏(東京藝術大学美術館館長)との対談(トークショー?トークバトル?)を行います。 これは13日のオープニングレセプションの席でのやり取りが発展して、急…

個展が始まりました

つい一週間ほど前からフェイスブックを始めました。 始めたいきさつはまあ多少あるのですが、それはひとまず置いておいて、とりあえずはFBの速報性と広がりに今さらながら驚いています。 それと同時に、FBのリテラシーやルールを学習しつつ、ブログとF…

『美術の窓』5月号に記事が出ました。

雑誌『美術の窓』5月号に「PREVIEW」として個展が紹介されています。 4月20日に発売されていましたが、このブログにもFBにも、何となく紹介するのを忘れていたというか、怠っていました。 何か宣伝するみたいで、といっても宣伝しているというか、宣伝し…

個展「耀(かがよ)ふ静謐」 展示作業終了 間もなく始まります。

個展「耀(かがよ)ふ静謐」(SALIOT 5月13~25日)の搬入と展示作業が二日間かけてようやく終わりました。(アライ君、タドコロ君には深謝) ↓ 想定外の二段掛けを提案された。やはり私のことを良く知っている有能な助っ人がいるということは、大きい。彼の提…

『メッセージのゆらぎ』と体験的「博士課程・博士論文」のこと ―その5 小笠原逃避行

前稿では製本論文と印刷公表のことを軸に書いた。ここで話は多少前後する。 32歳、1987年3月学位取得。5月製本論文『メッセージのゆらぎ』を提出。10月『論文+作品集 メッセージのゆらぎ』を自費出版。11月個展(紀伊國屋画廊)。 その間の3月の末で、そ…

『メッセージのゆらぎ』と体験的「博士課程・博士論文」のこと ―その4 印刷公表とルサンチマン

学位授与式(1987年3月)は済んだものの、手続きはまだ途上である。 審査会と前後して「製本論文(提出論文?論文提出?)」とか「印刷公表」ということが、次の課題として上がってきていた。 「製本論文」と「提出論文」とか「論文提出」の正式な言い方は…

『メッセージのゆらぎ』と体験的「博士課程・博士論文」のこと ―その3 論文執筆専念の日々

そういえばここまで書いて思い出したが、博士課程を出るその前の年に、出てからの事を考えて、西所沢の自宅の二階を改増築して20畳ほどのアトリエを作ることに決めたのだった。だがしかし、それに要する300万円という資金はなかった。よって、親に「いずれ稼…

『メッセージのゆらぎ』と体験的「博士課程・博士論文」のこと ―その2 博士課程大学院生生活から論文執筆へ(改訂版)

*4月28日にアップした以下の記事において、その後東京藝術大学附属図書館のHPから「東京芸術大学美術博士論文」(http://www.lib.geidai.ac.jp/APHD/ARTPHD.html)のサイトを確認したところ、いくつかの年度の間違い等を発見したので修正した。また前稿…

『メッセージのゆらぎ』と体験的「博士課程・博士論文」のこと ―その1 博士課程入学まで

あまり認めたくはないのだが、私はヤフオクの、まあヘビーユーザーに近いだろう。波はあるが、ここ10数年、外国切手、マッチラベルから外国紙幣、蔵書票など、さまざまな紙物コンテンツの蒐集にハマり続けているのである。だが、今ここで言おうとしているの…

個展のお知らせ 「河村正之展 耀ふ静謐」 SALIOTギャラリー 5月13日~25日

個展のお知らせ 「河村正之展 耀ふ静謐」 5月13日(月)から25日(土)まで港区三田 SALIOTギャラリーで個展を開催します。(日曜日休み) SALIOTギャラリーはいわゆる画廊ではなく、ベアリングを主軸としながら、新たにスマートLED照明を製造、展開す…

「小さな桃源郷」 多峯主山の秘密の尾根

*タイトルにある「小さな桃源郷」は少し前に読んだ『小さな桃源郷 山の雑誌アルプ傑作選』(池内紀編 2018年 中公文庫)の書名を借用したものである。 市役所から「肺炎球菌ワクチン定期予防接種の実地について(お知らせ)」というのがきた。封筒に「高齢…

再戦の中尾根から京戸山・ナットウ箱山・達沢山(2019.3.22)

【コースタイム】2019年3月22日 標高差885m 笹子駅9:35~中尾根取付10:40~鉄塔11:05~P1093m11:27~中尾根への分岐11:31~主稜線合流(カヤノキ平の頭と誤認)12:50~中尾根の頭標識/引き返し~カヤノキ平の頭14:12~ヤナギ平15:00~ナットウ箱…

2018年に見た展覧会・国内篇 その2(の前半)

やれやれ。「2018年に見た展覧会・国内篇」の導入としての「8人のマイベスト」があまりに長くなり過ぎたせいで、前後編に分けざるを得なくなったが、ようやく私の「2018年に見た展覧会・国内篇」に入ることができる。 ともあれ以下に私が2018年に見…

作品集『水晶録Ⅱ』発行のお知らせ

作品集『水晶録Ⅱ』発行のお知らせ 『水晶録Ⅱ』が完成しました。 ここニ三年毎年言いつづけていた作品集、3月末完成の予定が、少し遅れましたが4月24日に完成しました。画像はその宣伝チラシです。 前著『水晶録』(2011年2月発行)以来の、2010年から2018…

陽春のリハビリ山行―入山尾根の思いがけぬ結末

2019年の山始め。と、書いてみたが、有体に言って、リハビリ山行である。 先のブログ記事「『週刊女性』に(ちょっとだけ)名前が出た~古い一枚の写真から」にも少し書いたが、年明けから体調が芳しくなかった。右腕の不具合と高血圧(?)である。 その後…

2018年に見た展覧会・国内篇 その1 ある8人の「マイベスト」

年末になると、自分の各種の記録の集計や整理をして、その一年間を概観し直すのが近年の習慣となっている。「美術館探訪録」というのもそのコンテンツの一つ。まあこの1年間に見た美術館等での展覧会をあげてゆくというか、個人的なコメントと共に羅列して…

『週刊女性』に(ちょっとだけ)名前が出た~古い一枚の写真から

昨年末というか年明けごろから体調が芳しくない。 一つは、あるいは高血圧?。長く血圧優等生だったのに、ここにきて110前後~140前後といった数値が出る。毎日ダルさと(実際には熱はないのに)微熱状態といった態。 もう一つは六十肩(のバリエーション?…

再録:塚田尊明「NHK・BSグレートトラバース撮影隊に呼ばれるまで・そしてそれから」

本は増える一方である。いや、一方であった。最近は購読量も減り、読書量も減ってきてはいるというものの、蔵書の総量は減っていない。微増を続けている。2万冊はないにしても、毎年の記録からして1万冊はある。機を見て人にあげたり、「これは君が読むべ…

「キク」登場! (ミケタも…)

わが家の猫「キク」(とミケタ)が、とあるサイト(フェリシモ)に登場しました。 私も今は猫好きですが、本来は女房の守備範囲。 女房の展覧会がらみで取材に来たとか。 とりあえず、紹介しておきます。 「里山の三毛猫・キクとミケタ」 https://www.nekobu…

附記:ストックとサポートタイツについて

前々稿の「レジェンドたちと登った西上州・鍬柄山」で書き落としていたというか、ちょっと気がついたことを二点、書きとどめておく。 一つはストックのこと(トレッキングポールと言うこともあるようだが、ここではストックで統一)。 昨今の登山、特に尾根…

玲瓏の佐久・光あふれる尾根を天狗山から男山へ (2018.10.28)

朝7時に金峰山荘の朝食。食べ終えてベランダで一服していると、快晴の朝陽を浴びて、周囲は紅葉と岩々の遊戯場のようだ。 屋根岩パノラマコースに心惹かれる。千曲川上流梓山からの(秘峰?)五郎山にも惹かれる。未だ登っていない金峰山そのものも魅力的だ…

レジェンドたちと登った西上州・鍬柄山 (2018.10.27)

【初めに:私は山行のブログにおいては、同行者の氏名は原則仮名としている。しかし本稿ではプロとして活躍している、または活躍していた人、あるいは著書のある人については実名で記す。そうしなければ「レジェンド」の所以がわからないからであり、彼らの…